MASAOの彩り備忘録

普段の何気ない日常を切り取って、モノクロの毎日に彩りを添えていきます♪

【映画MEMO】実話を元にした映画『ラーゲリより愛を込めて』を観て感じたこと

出典:映画「ラーゲリより愛を込めて」公開記念 奇跡をつないだ仲間との絆

こんにちは、MASAOです。
「日常に彩りを」をコンセプトに、日々の出来事を綴っていきます 。

 

ワクセル主催の嶋村さんは映画プロデューサーとしての顔を持っており、ご自身も大の映画好きです。以前にたくさんのオススメ映画をお聞きしましたが、最近は北野武監督の『ドールズ』がオススメと仰っています。映画情報サービスであるFilmarksで調べると、NetflixやAmazonprimeなどでは視聴できないっぽいので、久しぶりにTSUTAYAにDVDを借りに行ってきます。

『ドールズ』に関してもこのブログでアウトプットしようと思いますが、今回は別の方にオススメしていただいた上映中の映画『ラーゲリより愛を込めて』を観に行ったので、それについてアウトプットしていきます。

lageri-movie.jp

出典:映画「ラーゲリより愛を込めて」公開記念 奇跡をつないだ仲間との絆

理不尽すぎる「シベリア抑留」をテーマにした物語

この物語の舞台は第二次世界大戦終戦間際。
南満州鉄道内の調査機関である満鉄調査部で働いていた「山本幡男」がこの映画の主人公です。終戦末期に日ソ中立条約を破って宣戦布告をしてきたソ連軍の空襲を受けて、主人公である山本幡男は抑留。終戦後に日本ではなく、ソ連の収容所に連れて行かれるんですね。いわゆる「シベリア抑留」を受けた日本軍人の物語です。そもそも、抑留って聞き馴染みのない言葉ですが、辞書で引くとこう書かれています。

1 おさえとどめること。一定の場所にとどめておくこと。
2 逮捕に引き続く身柄の拘束で、比較的短期のもの。→拘禁
国際法上、他国の人や物、特に船舶を自国の権力内に置くこと。「領海に侵入した漁船を抑留する」

出典:抑留(よくりゅう)とは? 意味や使い方

ネタバレになるので山本さんの最期はここでは触れないでおきますが、日本は1945年にポツダム宣言を受託して終戦を迎えます。シベリア抑留をされて最後の最後に日本に帰国した軍人は1956年。なんと、終戦から約11年間にわたって拘束されたので、ぜんぜん比較的短期ではないですよね。気が狂いそうになるくらいの長期です。

地球上でもトップクラスの過酷な地「シベリア」

個人的には、抑留生活は映画で描かれていた以上に過酷だったと思います。
少し前に10年に1度の大寒波が日本列島を覆い、大阪では久しぶりの雪を見ましたが、それでも気温は1℃前後。しかも、ほとんどの人がヒートテックを着て、セーター、ダウンを身に纏って防寒しましたよね。

ただでさえ極寒のシベリアの気温はマイナス20℃、さらに冬はマイナス40℃は当たり前で、寒い時はマイナス60℃にもなるそうです。ソ連軍から支給された作業服はマイナス30℃までは耐え凌げるそうですが、マイナス40℃を下回らなければ強制労働は行われていたそうですね。

また、極寒すぎて素手で金属に触れると、瞬間接着剤のように一瞬でくっつくそうです。斧などの小さな金属であれば熱湯をかけることで剥がれますが、誤ってレールなどの大きめの金属に素手で触れてしまうと、どれだけ熱湯で金属を暖めても剥がれないそうです。そうなるともう手段は無理矢理引き剥がすしかないそうです。流石にこの描写はありませんでしたが、過酷を極めたことは疑いようがありません。

希望を持ち続けることの大切さを伝え続けた山本幡男さん

シベリア抑留中の人たちにとって大切なものは「希望」でした。
上記で記載した過酷な状況下で強制労働を強いられることは肉体的にすぐに限界が来そうですが、それでも日本への帰国(ダモイ)の日が分かっていれば希望を持って働くことが出来そうです。

逆に、いつ帰国できるのか分からない状況で、強制労働をし続けるのは肉体的な負荷以上に精神的に想像を絶するような負荷だと思います。そんな厳しすぎる状況のため、山本幡男さんは強制労働者の希望を灯し続けるために、ソ連兵に真っ向から立ち向かい抗議するんですね。野球をしたり、俳句を読んだりして、周りの人々に楽しさを提供してなんとか希望を灯し続けていたんですね。

感動のラストはぜひ劇場で観ていただきたいですが、「シベリア抑留」はたった80年前の出来事です。いま80歳以上の方にとっては、「歴史」ではなく「現実」なんだと考えると、個人的には感謝の念が込み上げてきます。

先人の方々が圧倒的な理不尽に耐え抜いてくれたからこそ、確実にいまの平和な日本があります。過去の事実を正確に伝えてくれる映画はとても貴重ですね。